コーヒーとウオッカ
雪の日に
都心で雪がちらついた日、私は外回りに奔走していた。
朝から出ずっぱりで、終えたのは15時過ぎ。
歩き回っていたのもかかわらず、全身が冷えきってしまった。住宅街の中に小さな喫茶店があり、思わず駆け込んだ。そこはコーヒーしかおいていないガンコなお店だった。カフェイン断ちをしているが、ここは仕方ない。
コーヒーを注文し、手を温める。
同時に注文したウオッカを一気にあおる。
これで人心地着いた。
旧友からの電話
その後、三時間ほど時間をつぶし、取引先から契約をいただいて帰宅した。23時過ぎだったろうか。珍しく旧友から電話があった。
彼はえらく陽気だった。学生時代の思い出を饒舌に語る。いささか酒が過ぎているようだった。今は不遇であるということらしい。愚痴が入り、ほどなく電話がきれた。
これが最後の電話にならないことを祈らずにはいられない。