森羅万象と夜のしじま

読書、散歩、音楽など。

人が倒れても笑う

「こいつ、カエルみてぇ〜。笑える」

などと心筋梗塞で倒れた同僚に言うべきではない。太っていた同僚が倒れると、競りでた腹がたるみ、カエルのように見えたのだろうか。フロアの誰もが笑い、救急車を呼ぼうとしなかった。我に返って救急車を呼び、同僚は一命を取り留めた。そして、彼はほどなく退職した。

 

三十前後の頃、ブラック企業に勤めていた。当時はそれが当たり前で、どこに行ってもそれは変わらないように思われたので、私も同僚も我慢して働いてきた。大卒文系男子など行き場のない時代でもあった。

早朝から深夜までの業務。土日はせめて定時にあがろうなどという職場の空気。内外に提出する書類の期日が毎日。指揮命令系統がぐちゃちゃで社長や上司、他部署から命令がひっきりなしだった。それでも会社は成長したし給料も若干あがった。

 

だからそれは良い。私も勉強になった。

人として許せないことがあるとしたら、冒頭の話。

 

こうした会社がなくなることを願う。自分のためだけでなく、自分の子や孫のためにも。