森羅万象と夜のしじま

読書、散歩、音楽など。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

破滅型私小説

明治後半から終戦前後まで私小説が一世を風靡した。空想や理想をストーリーに投影するロマン主義を否定し、自然主義の極北を行く小説群と言うべきだろうか。作者の内心を暴露するような内容は、一面で、当時の世相、我が国の経済状況を反映し陰惨な内容とな…

人が倒れても笑う

「こいつ、カエルみてぇ〜。笑える」 などと心筋梗塞で倒れた同僚に言うべきではない。太っていた同僚が倒れると、競りでた腹がたるみ、カエルのように見えたのだろうか。フロアの誰もが笑い、救急車を呼ぼうとしなかった。我に返って救急車を呼び、同僚は一…

秋の夕餉

今夜は雨が降り、この秋、はじめて涼しさではなく寒さを本格的に感じた。 帰宅して風呂を沸かし、子ども入浴。他愛もない話をしておしまい。 夕食は質素ながら暖かく、美味であった。贅沢を言えば切りがないが、いまこの瞬間は幸せだと言える。

読書の日々

先月から取り憑かれたように本を読んでいる。心身ともに疲れているので、あまり頭を使わない軽い本ばかり。以下はそのタイトルと簡単な感想など。 ・竹内誠 図書館キリギリス 双葉文庫 不遇な無職女性が学校図書館で働く物語。本を通じて生徒や関係者にスポ…